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新年明けましておめでとうございます◎ (日展 出品作品 制作 過程)

:2009/1/1  

新年あけましておめでとうございます!本年もどうかよろしく願い申し上げます◎
えー新年1発目のブログはこのブログを観て下さっている皆様へのお年玉のつもりで(いらないかな~?)) 只今巡回中の日展出品作『物語(P100号)』の制作進行過程をお見せしちゃいまーす◎
①まず頭にあるイメージしたポーズを数ポーズモデルさんにポーズしてもらいクロッキー(スケッチ)します。その中から一番イメージに合った物をチョイスしてそれをもとに画面全体の構成を決め本画に移ります。⇩

構成で決定したセッティングを実際にアトリエ内に出来る範囲で再現します。
僕は写真を使わないで描きますのでその出来上がった空間で毎回モデルさんに来て頂きポーズしてもらって描きます。
背景を描く際もモデルさんの肌色に合わせて描きますので、モデルさんがいる時にしかほぼ描く事はありません。ですから勿体ないく聞こえるかも知れませんが1日殆ど背景を描いている日もあります。でもそれによって人物の存在感や臨場感が強くなる訳ですから人物を描いている事になるんですね。説明的な描写をする事だけが表現ではありませんから。
1日平均6~8ポーズ程度やって頂いています。(だから僕の仕事はモデルさんと二人三脚なんですね。モデルさんには本当に頭が下がります~っ。)
②ライン取りで形起こしをした後(昨年、美術の窓で制作進行過程を掲載した手順で)に実際見えている固有色の補色を用いて着色します。この段階ではまだかなり形が悪く硬いですが進行しながら形は直し続けます。ここでは明暗と量感に意識を集中します。今回は100号のサイズなのでここまで3日程時間をかけています。⇩

③下層描きが終わった後数日乾燥させた後、固有色の着色に入ります。この写真は一回目の上層描きの段階。(補色がかなり透けている状態なので画面全体がグレーの印象です。)⇩

④かなり全体の印象が見えて来た段階。(色の固有色もかなり近付いてきています。画面に登場する全てのモチーフが描かれた段階です。)⇩

⑤ ④の段階で作家の友達等にこの段階での自分の疑問を相談し意見を聞き、ここで画面全体の構成の甘さや人物の形の狂いを修正しています。(具体的な大きな修正の3点は2トーンの壁の面積比と、壁に落ちる陰影の形と位置、人物の左腕の長さ等があげられます。)⇩

⑥研究会での指摘を受けて画面全体の色の単調さやモチーフの質感の表現、影色を明るくする等を直した状態。
あとは自分がずっと気になっていた人体の動きの弱さにこだわり、ここでまた形を動かしました。(具体的には頭や身体のラインを1~2cm程削って、ひねった身体の陰影の組み立を再度立て直しています。⑤と⑥の違いが分かってもらえますでしょうか?)
そして ようやく人物に関しては動きの印象を含め、ほぼ形が決まった段階です。①の段階の時とはかなり形を動かしている事を観て欲しいです。僕が思うに完全に1度で形を決めてしまうよりも形は動き続けた方が柔らかいフォルムが描けると思います。特にこういう下層を作って描く様な制作進行では塗り絵的になりがちですから、その印象を克服する為にも、形が気に入らなければ守りに入らずに、動かし続けるのがベストだと思います。
搬入約1週間前の状態です。⇩この後、空間や色全体の関係性(調和)を再度合わせる事と自分の頭の中にある最終的な画面の完成イメージを求め続け加筆をしていき、ようやく完成を迎えます。
完成作品はホームページの表紙にあります。ご参照下さいませ。

☆あっそうそう!前々回のブログに書きましたが明後日3日のPM2:35からNHKで以前お仕事しましたドラマ(愛しのサンドリヨン)の再放送があります。正月お時間がある方はご覧になってみてはどうでしょうか(笑)
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