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制作過程

写実絵画 制作過程『月峰の河』M100号(白日会展2009)

:2009/3/1  

①まず自分の構想のイメージに合ったポーズをモデルさんに20パターンくらいポーズしてもらい、その中で気に入ったものを2~3枚クロッキーします。(ケント紙にシャーペン3Bで)⇩

②さらにその中で1番気に入ったクロッキーのコピーをとり、構図や画面の形を決める為のエスキースをします。(※今回は峰の先に咲く様に浮かぶ月のようなイメージが浮かんで来ました)


③いよいよキャンバスに描き出します。 構図バランス、人物のプロポーションを注意しながらアタリをつけていきます。今回はバントアンバーでの描き出し。


④試行錯誤しながらだいたいの構図バランスや形が決まり、全体の印象が出た所。


⑤下層描きに入ります。 まずは線書きに合わせて色面的に※固有色の補色にあたる色のハーフトーンを敷いておきます。


⑥そのハーフトーンを活かして描き込んで行きます。(その際、気になるデッサン狂いは完成するまで何度でも直し続けます。)・ここで下層書きが完成


⑦上層描きに入ります。ここでも塗り絵的にならない様に形態感を追いながら彩色していきます。1層目置いた所。・この段階では全体的にグレーの印象。


⑧下層色が活かせそう所はなるべく残しながら進めて行きます。一通り全体に色が入った段階。※手前の手がかなり大きかったのでここで修正しています。


⑨ここでは手や顔などの肌を中心に進め、身体は衣装の細部よりも形態感と人体的な動きや衣装の明るさ意識して進めています。


⑩表情を意識しすぎて説明的で硬くなってしまったので、ここで柔らかさや自然感を意識して加筆しています。衣装は手前~奥の空間を意識しつつ奥の足の辺りから描き始めています。


⑪肌の露出している部分と衣装との進み具合にばらつきが出たため全体バランスを意識してここで衣装の描き込みを始めています。(説明的な描写をするのではなく、あくまでもレース地の透明感や柔らかさ等の美しさを重視します。※この段階から手前に垂れているスカートは峰を流れ落ちる河の様なイメージで描いています。)


⑫2/28 今一度背景から全体の印象を合わせていく。背景はハレーションを含むバックの色調と人物に対する空間感を意識して描いています。その後バックに対する関係性を視ながら肌色を整えます。(顔、右手、左手、足先それぞれの肌色と光の強さの違いを意識して)


⑬3/1 再度衣装の刺繍や透明感をここまでで作り上げた明暗組み立てや人体的動きや形態感を崩さない様に描き込みます。※ここでは今回のポイントである背中の空間感を意識して描いています。
手前の手の表情も光のコントラストのせいで女性らしくない少々強そうな印象に見えてしまっていたので出来るだけ女性的な優しい印象をフォルムや肌色から読み取る様に心掛けて今一度描き直しました。


⑭3/2 画面全体を観ながらエスキース帳に最終チェックをし、それを元に詰め残しが無い様に最終調整をしながら描き込みます。(この際、タイトルにもなるイメージに向かって描き進める。)しかしラフ過ぎてこれを見ても僕しか理解出来ないかも知れませんね~。


⑮3/7の搬入日早朝。。ようやく額をはめて全体の印象を眺めつつ気になる部分を修正してついに完成